石垣島には在来種8種、外来種2種のカエルが確認されています。
石垣島では年間を通してカエルの鳴き声、姿を観察出来ます。
サキシマヌマガエル
アカガエル科
英名:Sakishima Rice Frog
学名:Fejevarya sakishimesis
分布:先島諸島
生息場所など:民家周辺、耕作地、森林、海岸沿いなどと幅広い場所に生息している。
冬季、寒い日は地面、落ち葉等にもぐり、活動が鈍り観察が難しいです。
2007年12月にヌマガエルの亜種から固有種となりました。
繁殖期:3月から9月頃で水田、農耕地、住宅地など幅広い場所で観察出来ます。
一時的な水たまりなどの浅い止水に産卵します。
鳴き声:グゴログゴロって感じで鳴きます。
成体オス:41-57(平均49)mm
成体メス:50-69(平均58)mm

背に筋が入った個体。

背に筋が無く、模様も薄く、赤茶色の個体。
模様、色には個性が有り、緑色型もいます。
ヤエヤマハラブチガエル
アカガエル科
英名:Yaeyama Harpist Frog
学名:Rana (Nidirana) psaltes
分布:石垣島、西表島
生息場所など:平地から山地にかけて分布します。
繁殖期:周年ですが2月頃から11月頃が盛んです。沼地、休耕田などに穴を掘って産卵します。
鳴き声:トントン・・・、鼓を打つような声で鳴きます。
成体オス:42-43(平均42)mm
成体メス:42-44(平均43)mm

真横から観察すると鼻先から腹部にかけて班があるのがわかる。

オオハナサキガエル
アカガエル科
英名:Large Tip-nosed Frog
学名:Rana (Eburana) supranarina
分布:石垣島、西表島
生息場所など:森林等に生息する。
繁殖期:9月中旬から3月で、産卵周期が数回ある。比較的綺麗な水場で山地渓流、池、ダム、休耕田など山間部から低地まで。
鳴き声:少し粘っこくピニュって感じで鳴きます。
成体オス:59-77(平均68)mm
成体メス:81-115(平均93)mm

雌は非常に大きく、大人の手のひらサイズ、色は緑色型と茶色型と個性がある。

コガタハナサキガエル
アカガエル科
英名:Utsunomiya's Tip-nosed Frog
学名:Rana (Eburana) utsunomiyaorum
分布:石垣島、西表島
生態:山地の渓流麓から渓流上流部に生息しています。
繁殖期:12月頃から2月頃です。産卵場所は山地渓流と綺麗な水場に限られます。
鳴き声はオオハナサキガエルに似ていますが、軽やかなピヨッって感じで鳴きます。
文字での説明は難しい鳴き声です。
成体オス:40-48(平均44)mm
成体メス:46-60(平均54)mm

オオハナサキガエルよりも小型で鼻先にやや丸みが有ります。

オオハナサキガエルの雄、若い個体はコガタハナサキガエルに良く似ています。
ヤエヤマカジカガエル
アオガエル科
英名 Ryukyu kajika frog
学名 Buergeria japonica
分布:トカラ列島口之島以南の南西諸島
生態:低地から山地にまで広く分布している。
繁殖期は4月から8月頃、渓流沿い、池、水たまり等に産卵します。
シュルシュルシュルルル・・と美しく可愛らし声で合唱します。
リュウキュウカジカガエルとされていましたが、独立種、固有種としてヤエヤマカジカガエルとなりました。
成体オス:25-30(平均28)mm
成体メス:27-37(平均35)mm

ヤエヤマアオガエル
アオガエル科
英名:Owston's Green Tree Frog
学名:Rhacophorus owstoni
分布:石垣島、西表島
生態:住宅地周辺から森林まで生息しています。
繁殖期:12月頃~5月頃までが盛んですが、周年繁殖している。
池、沢、側溝、マンホール等の水場の側面、枝上などに泡状の卵塊を生みます。
鳴き声:コロコロ・・・って感じで軽快な鳴き声です。
成体オス:42-51(平均45)mm
成体メス:50-67(平均56)mm


アイフィンガーガエル
アオガエル科
英名:Eiffinger's Tree Frog
学名:Kurixalus eiffinger
分布:石垣島、西表島、台湾
生態:山間部から低地まで幅広い場所に生息。樹上性。
繁殖期:年間を通して繁殖している。特に雨が降ると繁殖が盛んになる。樹のウロなどに少数の卵を産卵し、子育てをする。
成体オス:31-35(平均34)mm
成体メス:36-40(平均37)mm

ヤエヤマヒメアマガエル
ヒメアマガエル科
英名:Ornate Narrow-Mouthed Frog
学名:Microhyla(Diplopelma) ornata
分布 :奄美大島以南の南西諸島
生態 :住宅地周辺から耕作地、森林と幅広く生息している。
落ち葉、芝生等の中に潜って居ることが多い。
繁殖期:2月頃から10月頃が盛んですが周年繁殖している。
水場であれば何処でも産卵しています。
小さな水たまりにも産卵します。
ヒメアマガエルよりも、やや大きめ。
鳴き声:非常に大きくコロコロ・・・と楽器ギロのような音色で鳴きます。
ヒメアマガエルでしたが、独立種、固有種としてヤエヤマヒメアマガエルとなりました。
成体オス:22-26(平均24)mm
成体メス:24-32(平均28)mm


オオヒキガエル
ヒキガエル科
英名:Marine Toad
学名:Bufo marinus
分布:宮古島、伊良部島、北大東島、南大東島、石垣島、父島、母島
生態:耕作地、住宅地、森林、海岸沿い等幅広く生息している。冬季、寒さは苦手のようで、寒い日は地面、落ち葉、穴等に潜り動きが鈍ります。
石垣島では沖縄県最高峰オモト岳山頂付近にも生息している。
繁殖期:暖かい4月〜9月頃が盛んです。
田んぼ、ため池、ダム湖、海岸付近の潮水が混じる水場でも産卵をしています。
鳴き声:大きな声でボボボボ・・とドラムを連打するように鳴きます。
成体オス:89-124(平均110)mm
成体メス:88-155(平均112)mm


オオヒキガエル、外来種駆除について
島内のさまざまな環境に広がっているオオヒキガエルを、完全に根絶することは現実的には難しいと思います。その前提がある以上、単発的な駆除だけでは効果が続かず、命を奪うだけで終わってしまう心配があります。外来種の駆除を「正義」として語ることにも少し違和感があります。正義を掲げても結果につながらなければ、ただ命を失わせるだけになりかねません。
限りある時間と資源をよい形で生かすためにも、まずはこれ以上新たな外来種を入れない仕組みづくりと、広がらない環境管理を整えることに力を注ぐべきだと感じます。その方が、長い目で見れば守りたい命を守る確かな道になると思います。
シロアゴガエル
アオガエル科
英名:White-Lipped Tree Frog
学名:Polypedates leucomystax leucomystax
分布:沖縄島本島、宮古島、石垣島、与那国島
生態:住宅地周辺から農耕地、山林等に生息しています。繁殖期以外の時期に観察するのは困難です。泡状の卵塊を側溝の側面、池等の水場の枝上に生みます。ヤエヤマアオガエルの卵に似ていますが、色が茶褐色味が強いの識別は可能です。
石垣島では2007年春に繁殖が初観察されました。
2020年、島内全域に分布を広げています。
繁殖期:5月頃から9月頃が繁殖期です。
鳴き声:グエッと単発鳴きで大きく鳴きます。
成体オス:47-52(平均49)mm
成体メス:63-73(平均69)mm


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