カンムリワシ Crested Serpent Eagle

カンムリワシ Crested Serpent Eagle
カンムリワシ

カンムリワシについて

Crested Serpent Eagle

カンムリワシ

和名 :カンムリワシ
英名 :Crested Serpent Eagle
学名 :Spilornis cheela

全長 :約53cm
翼開長: 約110cm
体重:成鳥約900g 幼鳥約700g

指定:
国の特別天然記念物(文化庁)
国内希少野生動物種(環境省)
絶滅危惧1A類(環境省レッドデータブック)

国内の分布について

・国内では八重山諸島の石垣島、西表島で繁殖。

・竹富島ではカンムリワシ幼鳥の観察記録がありますが、継続観察はされていないため、石垣島、西表島のどちらかの島から渡っていたものと考えています。

・小浜島では成鳥が観察されていますが繁殖は未確認。残念なことに交通事故で2羽が死亡しています。継続的に島内で生息しているかは未確認。

雌雄の識別について

・上の画像、左雌、右雄。

・上の画像、左雄、右雌。

・時期、個体差がありますが、雄の体色は薄め、雌の体色は濃い傾向があります。

・大きさは、雄よりも雌のほうが少し大きい場合が多いですが個体差があります。

カンムリワシ幼鳥について

カンムリワシ 幼鳥

・幼鳥は8月末頃から観察され始めます。真っ白なカンムリワシ幼鳥は翌年春頃まで観察できますが、春頃からは換羽が始まり、茶色の成鳥羽と羽の痛みが目立ち始めます。

・一歳になると全体的の成鳥と同じ色合いに換羽していますが、よくみると幼鳥羽である白い羽があるのが判ります。

カンムリワシ

※生後約1年の個体。

生息数について

 1998年に(財)日本野鳥の会八重山支部主催2006年、2012年に環境省主催でカンムリワシ一斉調査が行われています。その際のカウント数は1998年石垣島91話羽、西表島104話羽、2006年石垣島78羽、西表島58羽、2012年石垣島110羽、西表島78羽となってい

2024年までの間で専門家による生息数調査は行われていません。

2010年から2020年の間、交通事故で死亡したカンムリワシは82羽となっています。

石垣島100羽、西表島100羽と説明されることが多いですが、その数字は正確では無いです。

2021年5月現在、カンムリワシの生息数は「不明」なので個体数の増減を語ることは出来ません。

しかし道路拡張、農地造成、観光施設増加など様々な理由で森林、雑木林が無くなり繁殖場所が減少しています。

交通量の増加、道路整備の影響で交通事故も増加していることから、個体数は減少方向にあると考えています。

 

生息環境・観察ポイントについて

・森林を好む個体群、人里、農耕地周辺の雑木林を好む個体群があります。

・餌場としては水田、牧草地、牧場などを利用する個体が目立ちます。農業機械が動き出すと、何処からともなく現れることが多いです。

繁殖時期について

・繁殖行動は12月頃から始まります。

・2月頃から3月末ころに交尾、造巣行動を行います。

・4月から7月にかけて抱卵、育雛を行います。

・8月に入ると巣離れが始まります。

食べ物について

カンムリワシ

・カエル、ヘビ、カメ、カニ、ミミズなどの小動物を好む傾向があります。

・サキシマハブを捕獲したカンムリワシ。

・石垣島には外来種のオオヒキガエルが分布しています。石垣島のカンムリワシの主食と言っていいほどです。

・鳥を捕食することもありますが、交通事故死したもの、他猛禽類が襲ったものの場合が多く、自ら鳥を捕獲する事は稀です。

・バン幼鳥を捕獲したカンムリワシ成鳥。

カンムリワシ

カンムリワシを観察しやすい時期について

・8月末から4月頃にかけてが観察、撮影がしやすいです。

・営巣時期である4月中旬頃から7月頃は観察が難しい時期となります。

カンムリワシ
カンムリワシ幼鳥
カンムリワシ
カンムリワシ成鳥

カンムリワシの鳴き声

カンムリワシリサーチについて

2006年に発足した 地元八重山で活動する 鳥類調査・保護団体。

カンムリワシを 八重山の陸域生態系のアンブレラ種としてとらえ、 八重山の自然環境を保全することを目的としている。

https://kanmuriwasi.wixsite.com/kanmuriwasi

カンムリワシ
カンムリワシ


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