石垣島のカタグロトビについて
2020年5月31日更新。
和名 カタグロトビ
英名 Black-winged kite
学名 Elanus caeruleus
全長 約33cm
名前の通り肩が黒いのが特徴。
石垣島での記録
1995年1月6日、石垣島内初記録。
2015年1月1日、石垣島南部耕作地にて観察、撮影(当店お客様)
2015年6月24日、石垣島南東部耕作地にて観察、撮影(当店お客様)
2015年9月14日、石垣島南東部耕作地にて小林雅裕(SeaBeans)観察、撮影(沖縄タイムス)
この記録以後、継続して観察が出来ている。
2015年10月後半、2羽観察される。
2015年11月中旬、2羽とは別に、1羽を観察、3羽観察される。
繁殖行動、繁殖状況について
2015年12月中旬、巣材運び、交尾を観察。
2016年1月上旬、抱卵?っと思っていた頃に営巣木周辺で工事が始まり放棄。
2016年2月、最初の営巣場所から離れた場所で繁殖行動を始める。
2016年4月、何度となく営巣行動を繰り返し、失敗していたが、4月後半頃から営巣に入るが、5月末頃放棄。理由は不明。
2016年7月、7月上旬から繁殖行動が盛んになる。
2016年8月、営巣成功したようで、雛2羽?が巣内に居るのをが観察された。
2016年9月、台風17号の影響で巣が飛ばされ雛死亡。
2016年12月、島内2羽繁殖行動中、営巣。
2017年1月、抱卵、営巣中。
2017年2月、抱卵、子育て開始。
2017年3月中旬、カタグロトビ雛1羽の幼鳥が巣立。
2017年3月下旬、巣作り、繁殖行動開始。
2017年4月、営巣、抱卵。
2017年5月中旬、営巣失敗。
2017年6月、繁殖行動。
2017年8月中旬、カタグロトビ雛4羽の雛が巣立つ。
2017年11月 繁殖行動活発。
2017年12月 営巣開始した様子。
2017年12月末 新たなペアを確認。
2018年1月 新たなペア 繁殖行動。
2018年2月末 カタグロトビ雛2羽が巣立つ。
2018年3月末 新たに巣作り、繁殖行動を始める。
2018年5月 営巣に入った様子。
2018年6月 3羽雛が巣立つ。
2018年10月 2ペア、繁殖行動を始める。
2018年11月 繁殖失敗した様子。
2019年、2020年5月までに何度から今までと同じ場所周辺で繁殖行動をするが営巣は成功していない様子。
石垣島生まれのカタグロトビの繁殖について。
2017年12月 昨年生まれた第一子のカタグロトビ雄若、以前からいた雌成鳥とペアになり繁殖行動を始める。
2018年1月~3月 交尾、営巣を試みるが失敗を繰り返す。
2018年4月 営巣に入った様子。
2018年6月 雛3羽が巣立つ。
2018年10月 繁殖行動。
2018年11月 営巣に入った様子。
2019年1月末 2羽の雛が巣立つ。
2019年6月 1羽の雛が巣立つ。
2019年12月 営巣をするが失敗、その後2020年4月までに何度か営巣をするが失敗している。
2020年6月中旬 2羽の雛が巣立つ。
上記2ペア以外のカタグロトビについて
他数組を確認しているが詳細は不明。1組は昨年秋に繁殖成功2羽の雛が巣立っている。
2017年3月に巣立ったカタグロトビ幼鳥。
2017年8月中旬、4羽の雛が巣立ちました。4羽が同じ枝に止まることは無く3羽と1羽で止まっていました。
※営巣、繁殖は遠く離れた場所から望遠鏡などで観察撮影、巣に近づいたり、長時間の観察は行っていません。
生態等について
・営巣に好む木が決まっているようで、2015年12月の営巣木以降、どの場所でもモクマオウを利用している。
ハスノハギリに一度だけ、巣材運びだけしていたことがありましたが、営巣はしなかった。
モクマオウは外来種で防風林用として持ち込まれた種。
・餌として好んでいるのはネズミ、大きさからしてハツカネズミ、幼いクマネズミだと思われる。
・朝夕の薄暗い時間を好んで餌獲りをすることが多い。
・餌場、生息地は開けた草地、耕作地を好み、隣接する雑木林で営巣、塒として利用する。
・海外では繁殖営巣は年2回、石垣島の場合は不明ですが、周年繁殖行動を行ってる様子。
雌雄の違い
・雌雄同色。
・上記画像では左雌、右雄です。
・石垣島に滞在しているカタグロトビ2羽に関しては、雌の光彩が赤色が強め、雄の光彩はオレンジ色が強く見えます。
・雌雄の大きさは、ほぼ同じですが、雄のほうが少し大きめに感じます。
在来種、自然への影響について。
・主食としているネズミの仲間は外来種ですが、セッカ等の野鳥も捕食しているため増加した場合、餌動物となる種の生息が脅かされる。
・リュウキュウツミと営巣場、生息場が重なり、餌も重なるため、カタグロトビが島内で増加した場合、リュウキュウツミの生息が脅かされる可能性がある。島内のリュウキュウツミの生息数、生息状況は調査されていないため不明。
・新たな猛禽類が狭い島内で繁殖、増加することは、島の自然にとっては望ましいことでは無いと思えるが、自然渡来なので、今後を見守るしかない状況である。
・台湾では1998年に初記録、2001年に繁殖、そして10年の間で約400羽に増え、今現在も増加傾向。
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