カタグロトビ Black-winged kite

石垣島のカタグロトビ

2026年8月更新

カタグロトビは石垣島では1995年に初めて記録され、2015年頃から継続して観察されるようになりました。

その後、繁殖を繰り返しながら分布を広げ、
2026年8月現在では石垣島の全島域で見られるようになっています。

さらに小浜島、西表島でも繁殖が確認され、八重山諸島では個体数・分布域ともに増加傾向にあります。

石垣島のカタグロトビ

基本情報

和名 カタグロトビ
英名 Black-winged Kite
学名 Elanus caeruleus
全長 約33cm
特徴 名前の通り、肩の部分が黒いことが大きな特徴です。

石垣島での記録と繁殖

石垣島のカタグロトビ
カタグロトビは1995年1月6日に石垣島で初めて記録されました。
その後しばらく目立った記録はありませんでしたが、2015年に複数回観察されるようになり、同年秋以降は継続して確認されるようになりました。
1995年 1月6日、石垣島で初記録。
2015年 1月、6月、9月と相次いで観察され、秋には複数個体を確認。
その後、継続して観察されるようになりました。
2015年12月 巣材運びや交尾など、繁殖行動を確認。
2016年 複数回の営巣を確認。
雛も確認されましたが、台風の影響などもあり繁殖成功には至りませんでした。
2017年 3月に幼鳥1羽が巣立ち、石垣島で繁殖に成功。
その後も繁殖が続き、8月には4羽の雛が巣立ちました。
2018〜2020年 複数のペアによる営巣・繁殖を確認。
石垣島生まれの個体も繁殖に参加し、世代を重ねるようになりました。
2021〜2026年 繁殖と分布拡大が続き、島内各地で観察されるようになりました。
2026年8月現在 石垣島の全島域に分布を拡大。
さらに小浜島、西表島でも繁殖が確認され、八重山諸島では個体数が増加傾向にあります。

現在の状況

当初は石垣島の限られた地域で観察されていたカタグロトビですが、繁殖を繰り返しながら徐々に分布を広げました。

2026年8月現在では石垣島全域で見られるようになり、小浜島、西表島でも繁殖が確認されています。

繁殖観察について
営巣・繁殖の観察や撮影は、巣から十分な距離を取り、望遠鏡などを使用して行っています。
巣に近づいたり、長時間観察したりすることはありません。

生態について

石垣島のカタグロトビ
生息環境 開けた草地や耕作地を好み、周辺の雑木林などを営巣場所や塒として利用します。
営巣木 石垣島で確認してきた営巣では、モクマオウを利用する例が多く見られましたが、近年ではクロキという低木での営巣を確認しています。
食べ物 主にネズミ類を捕食しています。
大きさなどから若いクマネズミなどを捕らえていると思われます。
活動時間 朝夕の薄暗い時間帯に狩りをする姿がよく見られます。
繁殖 石垣島では一年を通して繁殖行動が見られ、複数回繁殖を試みるペアも確認されています。
カタグロトビ

雌雄の違い

カタグロトビの雌雄 
左が雌、右が雄
カタグロトビは雌雄同色同型です。
外見だけで雌雄を確実に識別するのは容易ではありません。
  • 上の写真では左が雌、右が雄です。
  • 雌雄の大きさはほぼ同じですが、観察個体では雌のほうがやや大きく感じられました。
カタグロトビ

在来種・自然への影響について

カタグロトビ
カタグロトビが石垣島や八重山諸島で増加することで、島の生態系にどのような影響を与えるのか、今後注意深く見ていく必要があります。

考えられる影響

  • 主な餌となるネズミ類には外来種も含まれますが、セッカなどの野鳥を捕食することもあります。
    個体数が増加した場合、餌となる生物への影響が考えられます。
  • リュウキュウツミとは営巣環境、生息環境、餌などが重なる部分があります。
    カタグロトビが増加した場合、競合などの影響が生じる可能性があります。
  • 石垣島のリュウキュウツミについては、生息数や詳しい生息状況が十分に把握されていないため、実際の影響については不明です。
カタグロトビは人為的に持ち込まれた外来鳥ではなく、自然に八重山諸島へ渡来し定着した鳥です。
一方で、2026年現在は石垣島全域へ分布を広げ、小浜島、西表島でも繁殖するまでになっています。
限られた島嶼環境の中で、新たな猛禽類が増加することによってどのような変化が起こるのか、今後も継続して見守る必要があります。
石垣島のカタグロトビ


TEL:0980-87-9230